今この城にいる者は占部尚安を大将に、舎弟左馬助重安・二男源内左衛門貞安(源内右衛門貞安か?)、一族に占部織部貞治・同民部貞盛、河津新四郎隆家、彼是合わせて五百に足らず小勢で、この大勢を防ぐのは難しかった。敵は荒手を入れ替え入れ替え攻めるので、両日の戦いで打たれる者数しれず。敵も城中も今日になっては疲れ果ててお互い兵を引いてしばらく息をつく。

寄り手の者達がいうには
「これほどの小城に小勢にてかかえたらんを、日数を経て、攻めかねたりといはれんは、無念の次第ならずや。此度はただ一手に成りて、揉みつぶせ者共」
とわき目も振らずに攻め上る。>次へ
氏貞嶽山開城≫大友勢再び襲来:1│2│34