土橋越前守氏康が
「敵思いしよりは小勢※なるぞ。切て出て追い払え、者共」と、止める間もなく一番に飛び出す。時を待ちかねていた若武者などは遅れてなるまじと我先に打って出たので老軍もこれを押さえきれはしなかった。数刻に及んで戦ったが勝負がつかず、相引いて人馬を休めたが又建て直し敵味方入り乱れ、火花を散らして戦った。二番手には深田氏俊、三番手は占部種安が控えている。敵側の先陣は戸次丹後守鑑連、二陣が奴留湯入道融泉、三陣が立花但馬守鑑載である。奴留湯主水は三陣の後ろにはるかに引き退いて備えを立てている。その後に高橋三河守が備えを固くして控えていた。>次へ ※敵は三千といっても実際は5千余に及んだという。備えを段段に立てたので小勢の様に見えたのだろう |
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