あくる十七日、立花鑑載・奴留湯融泉は千五百余騎を引率して吉原ノ里城に昨日の鬱憤を晴らさんと鬨(とき)の声を上げて押し寄せた。城中の五百余騎が、同じく鬨を合わせて門の木戸をさっと開いて切り出る。両陣互いに刃を交えて長時間の戦いとなった。尚安は荒手を入れ替え入れ替え戦ったので、寄り手はこらえきれずしどろ足になったところを、一揉みもんで攻めると敵はにわかに敗軍して散り散りに引いて去った。 尚持は勢いに乗って性急に敗軍を追った。途中、黒糸の鎧を着た兵が倒れ伏していたが、尚持は死人と思い込み何気なしに通りかかったところ、武者はいきなり起き上がり尚持の左の足をくるぶしから切り落とした。>次へ |
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